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2024.05.06

工務課・森

ピケ

こんにちは、工務課の森です。

 

 

 

地下鉄の千種辺りで高校生が乗ってきた。

その1人に目が行った。

坊主頭にイヤホン、ダブついた腰ばきズボン。

大きなスポーツバックに、右手には何やら袋をワシづかみしている。

 

赤いチェックの袋‥‥お菓子のピケだ。

 

開いた袋の口を握って閉じていた。

スポーツバックを膝上に、その上に右手のピケをのせ私の隣に座った。

座るなりピケを2,3個口に入れた。

目をつむり、牛のようにすごくゆっくり口を動かしている。

すると頭が左右に揺れ始めた。

食べていると思ったら、速攻で寝てしまったようだ。

しかしその揺れが、だんだん大きくなり、肩から上が左右に揺れだした。

テンポよくメトロノームのように動いている。

 

なんだ?この変な動き‥

わざとか‥?

いや、寝ている‥?

 

怖いくらい、大きく左右に揺れだした‥

私との間に空間はあるが、時折肩があたるようになってきた。

迷惑を楽しんでるのか?

 

電車の中で、なんかヤバいヤツというオーラで注目を集めだした。

隣にいる私は、怖いを通り越して恐ろしくなっている‥

 

席を移動するか‥

ビビって逃げたと思われるか?

 

誰も気にしてはいないであろう、自意識過剰なプライドが頭をよぎる‥

 

あぁ〜でも、怖いな、急に暴れだしたら、一番に餌食になるのはオレだよなぁ‥‥

 

左右に揺れ続けている‥大きく揺れだしただけでなく、テンポが速くなってきた‥

何かデカいことをやらかす前兆か?

プライドも限界にきた‥

 

その時!

 

『『ビクッッッ!』』

 

ケイレン‼︎‼︎

全ての手足が超高速でビクつき、

垂直に飛び上がった!

 

ピケの袋が宙に舞い‥

スローモーションで私の膝の上に舞い降りてきた‥

 

恐怖の限界だった私のビビリは、限界の向こう側へ到達していた。

 

すると放心状態でフリーズしている私の前に、その高校生が立っている。

 

「大変失礼しました」と深く頭を下げる。

 

腰を低めにし、私の膝上に着地したピケを両手で丁寧につかんだ。

申し訳ない姿勢をキープしたまま、そっと席に戻った。

 

そして、また目を閉じゆっくり揺れている‥

 

 

瞳孔が開き1ミリも動けていないことを全然平気だし‥‥‥

という雰囲気に変換しているつもりの自分‥

 

心臓は、爆速ツービートを刻んでいる‥。