COLUMN
家づくりコラム
【2027年4月から変わる】GX ZEHとは?蓄電池が必須になる理由とこれからの家づくり
こんにちは、太陽ハウジングです。
家づくりについて調べていると、「ZEH(ゼッチ)」という言葉を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
ZEHは、高い断熱性能や省エネ設備によって使うエネルギーを減らし、太陽光発電などでエネルギーをつくる住宅として、これまで国も普及を進めてきました。
そのZEHの定義が、2027年4月から変わる予定です。
新しいZEHの定義として始まるのが、「GX ZEH(ジーエックス・ゼッチ)」です。
GX ZEHでは、従来のZEHよりも断熱性能や省エネ性能の基準が引き上げられます。
さらに戸建住宅では、これまで必須ではなかったHEMSによる高度エネルギーマネジメントと定置用蓄電池が原則必要になります。
では、なぜ省エネ住宅に蓄電池まで必要なのでしょうか?
この理由を知ると、GX ZEHが単に「性能の高い住宅」ではなく、これからの電気の使い方まで考えた住宅であることが見えてきます。
今回の家づくりコラムでは、GX ZEHとはどんな住宅なのか、従来ZEHとの違い、求められる性能や設備、そして蓄電池が必要になる理由から、その先にあるDR(デマンドレスポンス)まで分かりやすく解説します。
そもそもZEHとは?
まずは、現在のZEHについて簡単におさらいします。
ZEHとは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略。
簡単にいうと、「使うエネルギーを減らして、自宅でもエネルギーをつくり、年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロを目指す住宅」です。
ZEHの基本は「断熱 + 省エネ + 創エネ」
住宅の断熱性能を高めることで、夏は外からの熱が入りにくく、冬は室内の暖かさが逃げにくくなります。
そのうえで、高効率なエアコンや給湯設備、照明などによって住宅で使うエネルギーを減らし、それでも必要になるエネルギーを太陽光発電などでつくります。
「一次エネルギー消費量」って何?
ZEHについて調べると、必ずといっていいほど登場するのが「一次エネルギー消費量」という言葉です。少し難しく感じますが、家づくりをする方が計算方法まで覚える必要はありません。
住宅では、冷暖房・換気・給湯・照明などに電気やガスを使います。
それらを国が定めた共通の基準に換算して、「この家で暮らすために、どのくらいエネルギーを使うのか」を評価したものだと考えると分かりやすいと思います。
2027年4月から始まる「GX ZEH」とは?
GXとは「Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)」の略です。
化石燃料に大きく依存した社会から、再生可能エネルギーなどを活用する社会へ移行していこうという取り組みを指します。
その中で経済産業省が新しく定義したのがGX ZEHです。
住宅そのものの省エネ性能を高めるだけでなく、太陽光発電などでつくった電気をできるだけ自宅で活用し、住宅単位でのエネルギー自給率を高めていくことも重視されています。
これまでのZEH
使うエネルギーを減らす → エネルギーをつくる
GX ZEH
使うエネルギーを減らす → つくる → ためる → 管理する → 必要なときに使う
これまでのZEHが、「使うエネルギーを減らす→エネルギーをつくる」という考え方だったのに対し、GX ZEHでは、「使うエネルギーを減らす→つくる→ためる→管理する→必要なときに使う」というところまで考える住宅へ変わっていきます。
従来のZEHとGX ZEHは何が違う?
では、具体的に何が変わるのでしょうか。
主な違いを比較してみましょう。
従来のZEHでは断熱等性能等級5、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量20%以上削減が基準でした。
GX ZEHでは、これが断熱等性能等級6、一次エネルギー消費量35%以上削減へ引き上げられます。さらに、HEMSによる高度エネルギーマネジメントと定置用蓄電池が新たに求められるのが大きな変更点です。
GX ZEHでは何が求められる?
GX ZEHで押さえておきたい5つのポイント
- 断熱等性能等級6
- 再エネを除いて35%以上省エネ
- 太陽光発電などで創エネ
- HEMSでエネルギーを管理
- 定置用蓄電池を設置
01|断熱等性能等級6
まず必要になるのが断熱等性能等級6です。
断熱性能が高くなるほど、外の暑さや寒さが室内へ伝わりにくくなり、室内の快適な温度も外へ逃げにくくなります。
夏に冷房で冷やした室温を保ちやすく、冬に暖房で暖めた熱も逃がしにくくなるため、冷暖房に必要なエネルギーを減らすことにつながります。
現在のZEHでは断熱等性能等級5が基本ですが、GX ZEHでは等級6まで引き上げられます。
ここで大切なのは、太陽光発電をたくさん載せればGX ZEHになるというわけではないということです。
まず住宅そのものの性能を高めて、できるだけエネルギーを使わない家にする。
これがGX ZEHのスタート地点です。
02|太陽光発電に頼る前に35%以上省エネ
GX ZEHでは、太陽光発電などの再生可能エネルギーを計算に入れる前に、基準となる住宅より一次エネルギー消費量を35%以上削減する必要があります。
現在のZEHは20%以上ですから、かなり高い省エネ性能が求められます。
- 断熱性能を高めて冷暖房負荷を減らす。
- 省エネ性能の高いエアコンを使う。
- 効率の良い給湯設備を使う。
- 照明や換気設備のエネルギー消費を抑える。
こうした設備や建物性能を組み合わせて、住宅全体でエネルギー消費量を減らします。
太陽光でエネルギーをたくさんつくる前に、そもそもエネルギーをあまり使わない家にする。
これがGX ZEHの基本的な考え方です。
03|太陽光発電などでエネルギーをつくる
住宅で使うエネルギーを減らしたうえで、太陽光発電などによってエネルギーをつくります。
基本となる「GX ZEH」では、省エネと再生可能エネルギーを合わせて一次エネルギー消費量を100%以上削減することが必要です。ただし、GX ZEHには立地条件や再生可能エネルギーによる削減率などによって、いくつかの区分があります。
04|HEMSでエネルギーを管理する
GX ZEHでは、HEMS(ヘムス)などを利用した高度エネルギーマネジメントも必要になります。
HEMSとは「Home Energy Management System」の略です。
- どのくらい電気を使っているのか
- どのくらい太陽光で発電しているのか
- どのくらい自宅で消費しているのか
これらを把握し、エネルギーを管理するための仕組みです。
これまでの住宅では、1か月後に電気料金の明細を見て、「今月は電気をたくさん使ったな」と確認することが多かったと思います。
これからは、住宅自体がエネルギーをつくるようになるため、「いくら使ったか」だけでなく、「いつつくり、いつ使うのか」まで考えることが重要になってきます。
05|定置用蓄電池を設置する
GX ZEH+、GX ZEH、Nearly GX ZEHでは定置用蓄電池が必要になります。
なぜ太陽光発電だけではなく、蓄電池まで必要になるのでしょうか。これについては、このあと詳しく見ていきます。
GX ZEHには4つの種類があります
GX ZEHシリーズは、次の4種類です。
| 種類 | 再エネを含む一次エネルギー削減率 | 特徴 |
|---|---|---|
| GX ZEH+ | 115%以上 | 使う以上のエネルギーをつくる |
| GX ZEH | 100%以上115%未満 | 年間収支ゼロまたはマイナス |
| Nearly GX ZEH | 75%以上100%未満 | 年間収支ゼロに近づける |
| GX ZEH Oriented | 再エネ要件なし | 都市部狭小地・多雪地域などが対象 |
ひと口にGX ZEHといっても、実際には4つの区分があります。
最も高い水準が「GX ZEH+」です。
省エネと再生可能エネルギーを合わせた一次エネルギー消費量の削減率が115%以上となり、住宅で使う以上のエネルギーを生み出すことを目指します。
基本となる「GX ZEH」は100%以上115%未満。
「Nearly GX ZEH」は75%以上100%未満です。
そして、都市部の狭小地や多雪地域など、屋根に十分な太陽光発電設備を設置することが難しい住宅には「GX ZEH Oriented」という区分があります。
数字がいろいろ出てきますが、一般的な戸建住宅では、GX ZEH+はより多くの創エネを求める上位区分、GX ZEHは年間の一次エネルギー収支ゼロ以上を目指す基本区分と押さえておけばよいでしょう。
なぜGX ZEHでは蓄電池が原則必須になるの?
GX ZEHの大きな変化のひとつが、定置用蓄電池の導入が原則必須になることです。
「太陽光発電があるなら、それだけでいいのでは?」と思うかもしれません。
実は太陽光発電には、「電気をつくれる時間」と「家庭でたくさん電気を使う時間」がズレるという特徴があります。
晴れた日の日中は、太陽光発電は多くの電気をつくることができます。
しかし平日の昼間は仕事や学校などで家にいる人が少なく、発電した電気を家庭で使い切れないことがあります。反対に夕方になると太陽は沈み、太陽光発電量は減っていきます。
ところが家庭では、夕方以降に帰宅する、照明をつける、エアコンを使う、夕食をつくる、お風呂に入るといったように、電気を使う場面が増えていきます。
昼間は太陽光による電力が余りやすいのに対し、夕方になると太陽光発電量が大きく減り、家庭では調理などによって電力需要が増えます。つまり、電気を「つくる時間」と「使う時間」にはズレがあるということです。
昼間
太陽光発電量が多い → 家庭で使い切れない電気を蓄電池へためる
夕方・夜
太陽光発電量が減る → 蓄電池にためた電気を家庭で使う
そこで活躍するのが蓄電池です。
昼間、太陽光発電でつくった電気をその場で使い切れなければ、蓄電池へためる。そして夕方や夜になったら、ためておいた電気を使う。
これによって、太陽光でつくった電気を自宅で使える割合を高めることができます。
つまり、太陽光発電で電気をつくりやすい時間と、家庭で電気を多く使う時間にはズレがあるということです。
蓄電池は「ためるだけ」ではなくなる。その先にある「DR(デマンドレスポンス)」とは?
※DRへの参加はGX ZEHの必須条件ではありません。
ここからは、GX ZEHの必須条件ではありませんが、これからの住宅と電気の関係を考えるうえで知っておきたいDR(デマンドレスポンス)についてご紹介します。
DRとは、電気が余っている時間には使う量を増やしたり蓄電したりし、電気が不足しやすい時間には使用量を減らしたり蓄電池から電気を使ったりして、電気を使う時間を調整する仕組みです。
なぜDRが必要になるの?
電気には大きな特徴があります。
電気は、「つくる量」と「使う量」のバランスを常に保つ必要があります。
供給が足りなくても困りますし、供給しすぎても電力系統を安定して維持できなくなります。
ところが、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、天候によって発電量が変わります。晴れた昼間に大量に発電して電気が余る一方、夕方になると太陽光発電量が急に減ることもあります。
そこで、電気をつくる側だけで調整するのではなく、電気を使う家庭側も調整に参加するという考え方が出てきました。
自宅の蓄電池が「わが家だけの設備」ではなくなる?
家庭用蓄電池は、「太陽光でつくった電気を夜に使う」「停電したときのために電気をためておく」という使い方が一般的です。
しかしDRが広がると、それだけではなくなる可能性があります。
複数の家庭にある蓄電池、太陽光発電、電気自動車などをネットワークでつなぎ、まとめて制御する考え方があります。
これがVPP(バーチャルパワープラント/仮想発電所)です。
一軒一軒の蓄電池は小さくても、たくさん集めれば大きな電力になります。
それらをまとめてコントロールすることで、まるでひとつの発電所のように活用します。資源エネルギー庁も、こうした分散型エネルギーリソースを活用したVPP・DRの普及を進めています。
つまり将来的には、自宅の蓄電池が、「わが家の電気をためる設備」であると同時に、「地域や社会の電力を調整する設備」として利用される可能性もあります。
※DRへの参加はGX ZEHの必須条件ではありません。蓄電池やHEMSの今後の活用例として紹介しています。
これからの住宅と電気の関係はどう変わる?
ここまでの流れを、住宅と電気の関係から考えてみましょう。
これまで: 電気を「買う」
↓
太陽光発電: 電気を「つくる」
↓
蓄電池: 電気を「ためる」
↓
HEMS: 電気を「管理する」
↓
DR: 電気を「いつ使うか調整する」
これまでの一般的な住宅では、「電気を買って使う」ことが基本でした。
太陽光発電が普及すると、「自宅で電気をつくる」ことができるようになりました。
蓄電池があれば、「つくった電気をためる」ことができます。
HEMSがあれば、「どのくらいつくり、どのくらい使っているのかを把握し、管理する」ことができます。
そしてDRが広がれば、「電気をいつ使うのかまで調整する」という考え方が加わります。
GX ZEHは、単に断熱等級が上がった住宅ではなく、家庭でエネルギーをどう使うかまで考える住宅へ変わっていく流れのひとつです。
GX ZEHと「GX志向型住宅」は何が違う?
GX ZEHについて調べていると、「GX志向型住宅」というよく似た言葉も出てきます。
GX志向型住宅は、2025年度の住宅支援制度で登場した住宅区分です。
GX志向型住宅でも、断熱等性能等級6以上・再エネを除く一次エネルギー消費量35%以上削減・太陽光発電などの再生可能エネルギー・高度エネルギーマネジメントなどが求められます。
大きな違いのひとつは「蓄電池」
GX志向型住宅では定置用蓄電池は必須ではありません。一方、GX ZEHでは原則として定置用蓄電池が加わります。
GX志向型住宅とGX ZEHには共通する性能要件が多くありますが、大きな違いのひとつが蓄電池です。GX志向型住宅では定置用蓄電池は必須ではありません。
GX ZEHでは原則として定置用蓄電池が加わり、太陽光発電でつくった電気を自宅で使う「自家消費」をより重視した住宅になっています。
GX ZEHのメリットは?
GX ZEHのメリットは、単に「基準が高い住宅」ということだけではありません。
01|夏・冬の快適性を高めやすい
断熱等性能等級6となることで、外気温の影響を受けにくくなります。
冬に暖めた室内の熱を逃がしにくく、夏は外から入ってくる熱を抑えやすくなるため、冷暖房を効率的に使いやすくなります。
ただし、断熱等級だけで快適性が決まるわけではありません。
窓の大きさや位置、日射、間取り、冷暖房計画などを含めて考えることが大切です。
02|購入する電気を減らしやすい
省エネ性能によって使うエネルギーを減らし、太陽光発電で電気をつくり、その電気を蓄電池にためて夜間にも利用できます。
そのため、電力会社から購入する電力量を減らしやすくなります。
注意:「GX ZEH=電気代0円」ではありません。
ただし、GX ZEHだから電気代が必ず0円になるわけではありません。
一次エネルギー消費量の削減率は、国の計算方法による住宅性能上の数値です。
実際の電気代は、家族人数や在宅時間、家電の使用量、エアコンの使い方、発電量などによって変わります。
03|停電への備えになる
太陽光発電だけの場合、夜間には発電できません。しかし、蓄電池に電気をためておけば、停電時にも一定範囲の照明や冷蔵庫、スマートフォンの充電などに利用できる可能性があります。
もちろん、どの機器、どのくらいの時間使えるかは、蓄電池の容量や全負荷・特定負荷といったシステムの違いによって変わります。
「蓄電池があるから停電しても普段どおり生活できる」と考えるのではなく、停電したときに何を使いたいのかまで考えて容量やシステムを選ぶことが大切です。
GX ZEHを検討するときの注意点
ここまで読むと、「これから建てるならGX ZEHにしておけば間違いないのでは?」と思うかもしれません。
ただし、家づくりでは性能が高ければ高いほど無条件に正解、とは限りません。
GX ZEHを検討するときの3つの注意点
- 建築費が上がる場合がある
- 設備は将来、修理や交換が必要になる
- 太陽光発電は土地や屋根条件によって変わる
01|建築費が上がる
GX ZEHでは、断熱性能を高め、省エネ設備、太陽光発電、HEMS、蓄電池などを導入する必要があるため、現在検討している住宅仕様によっては建築費が上がります。
02|将来、交換が必要になる
断熱材や窓とは違い、太陽光発電のパワーコンディショナー、蓄電池、HEMS、給湯器などは、長く住んでいく中で修理や交換が必要になる可能性があります。
03|太陽光発電は土地や屋根によって条件が変わる
太陽光発電量は、屋根の向き、形状、面積、周囲の建物による影などによっても変わります。
間取りをすべて決めてから、「最後に太陽光と蓄電池を載せる」という考え方ではなく、家づくりの早い段階から屋根・太陽光・蓄電池まで一緒に計画することが大切です。
2027年まで家づくりを待った方がいい?
ここまで読むと、「GX ZEHが2027年4月から始まるなら、それまで家を建てない方がいいの?」と思う方もいるかもしれません。
結論:GX ZEHの開始だけを理由に、2027年まで家づくりを待つ必要はありません。
結論からいうと、GX ZEHの開始だけを理由に、2027年まで家づくりを待つ必要はありません。
2027年4月からすべての新築住宅にGX ZEHが義務付けられるわけではありません。
また、国の資料では、新しいGX ZEHの定義は2027年4月から適用される一方、現行ZEHについても2028年3月まで新規取得できる予定です。
だからこそ大切なのは、「2027年になったらGX ZEHにしよう」と制度の開始時期だけで判断することではありません。
これから建てる住宅について
- 断熱等級5で考えるのか、6まで高めるのか。
- 太陽光発電を設置するのか。
- 蓄電池まで必要なのか。
- 昼間の在宅時間はどのくらいか。
- 将来、電気自動車を所有する可能性はあるのか。
こうしたことを今の段階から考えておくことの方が大切です。
GX ZEHは、これから住宅性能や家庭でのエネルギー利用がどの方向へ向かっているのかを知る、ひとつの目安として捉えてみてはいかがでしょうか。
GX ZEHについてよくある質問
Q.GX ZEHはいつから始まりますか?
GX ZEHの新しい定義は、2027年4月1日からの運用開始が予定されています。
ただし、2027年4月からすべての新築住宅にGX ZEHが義務化されるという意味ではありません。
Q.GX ZEHと現在のZEHの一番大きな違いは?
断熱等性能等級が5から6へ、再エネを除く一次エネルギー消費量削減率が20%以上から35%以上へ引き上げられます。
さらに、HEMSによる高度エネルギーマネジメントと、原則として定置用蓄電池が必要になります。
Q.GX ZEHには蓄電池が必ず必要ですか?
戸建住宅のGX ZEH+、GX ZEH、Nearly GX ZEHでは、定置用蓄電池が必須です。
都市部狭小地や多雪地域などを対象としたGX ZEH Orientedは、通常のGX ZEHとは設備要件が異なります。
Q.GX ZEHなら電気代は0円になりますか?
必ず0円になるわけではありません。
GX ZEHでいう一次エネルギー消費量の削減率は、国が定めた方法で計算する住宅性能上の数値です。実際の電気料金は、家族の人数、在宅時間、冷暖房の使い方、家電製品、太陽光発電量、電気料金プランなどによって変わります。
「一次エネルギー収支ゼロ=電気料金0円」ではないことは覚えておきましょう。
Q.DRに参加しないとGX ZEHにはなりませんか?
DRへの参加はGX ZEHの必須条件ではありません。
GX ZEHではHEMSなどによる高度エネルギーマネジメントや蓄電池が求められますが、DRサービスへの参加は別の話です。
DRは、太陽光発電や蓄電池、HEMSが普及した先に考えられる、これからの電気の使い方のひとつです。
Q.蓄電池を設置すれば、DRでお金がもらえるようになりますか?
DRには、電力会社やアグリゲーターなどの要請に応じて電力需要を調整し、対価を受け取る「インセンティブ型DR」もあります。
ただし、蓄電池を設置すれば必ず収入が得られるという意味ではありません。
サービスの有無や参加条件、報酬、蓄電池の制御方法などは契約する事業者によって異なります。
現時点では「DRで得をするために蓄電池を買う」というより、太陽光発電の自家消費、停電への備え、導入費用などをまず検討し、そのうえで将来的なDRへの対応も確認するくらいがよいでしょう。
まとめ|省エネ住宅から「エネルギーを使いこなす住宅」へ
2027年4月から始まるGX ZEHでは、断熱等性能等級6や高い省エネ性能に加えて、戸建住宅ではHEMSや定置用蓄電池が原則必要になります。
注目したいのは、単に住宅性能の基準が上がることではありません。
「エネルギーを減らす・つくる」から
「つくる・ためる・管理して、必要なときに使う」住宅へ
これまでの「エネルギーを減らす・つくる」という家づくりから、太陽光でつくった電気をためて、必要なときに使うという考え方へ変わっていきます。その先には、DRのように電気を使う時間まで調整する仕組みもあります。
ただし、これから家を建てるすべての方がGX ZEHを選べばよいというわけではありません。
大切なのは、断熱性能・太陽光発電・蓄電池などにかかる費用と、これからの暮らしにどこまで必要なのかを比較して選ぶことです。
GX ZEHは、「最新の基準だから選ぶ」のではなく、これから住宅とエネルギーの関係がどう変わっていくのかを知るひとつの目安として、家づくりに役立ててみてください。
※本コラムは2026年8月時点で公表されている情報をもとに作成しています。GX ZEHは2027年4月から新しい定義の運用開始が予定されており、今後、詳細な要件等が変更・追加される可能性があります。

