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2024.09.12

【ズボラさんシリーズ】ズボラさんがキッチンで失敗しない収納とは?

こんにちは、太陽ハウジングです。

掃除が嫌いで片付けが苦手なズボラさんが、キッチンで失敗しないためのコラム、ズボラさんシリーズ(キッチン編)を設備や仕様、収納、レイアウトを3回に分けてお伝えしています。
今回のコラムは、第2回目、キッチンの収納編をお届けします。

キッチンには調理道具や食器、食材、ストック品など、さまざまな物を収納する必要がありますよね。収納スペースを考える際に重要なポイントは「使いやすさ」です。

キッチンのカップボードや収納スペースを、住宅会社に提案されるがまま採用したり、コスト優先で決めてしまう方も多いのではないでしょうか?

カップボードの幅が足りず調理家電がすべて置けなかったり、奥行きが足らず予定していたオーブンレンジが収まらなかったり、パントリーの棚の奥行きを取りすぎて奥の物が取り出せない、逆に奥行きが足りなくて物が置けないなど「設置した収納をうまく活用できない」と住んだ後に失敗したというケースがよくあります。

また、壁面収納や吊り戸棚、パントリーなど、収納の方法はいくつかありますが、使用頻度や大きさ、重さ、数などにより、適切な収納場所を設けることで使い勝手が良くなります。必要な物が出し入れしやすく、ストックの量も一目で把握できる収納スペースを検討しましょう。

それでは掃除が嫌いで片付けが苦手なズボラさん向けのキッチン収納をご紹介します。
また、キッチンの収納テクニックも説明しているのでズボラさん以外も参考にしてみてください。

■カップボード


カップボードは、多くの住宅会社でオプション設定になっていますが、約9割の方が採用している設備です。事前に予算に含まれているか確認しておくと安心です。
また「カップボードは標準で入っています」という会社でも、どのようなカップボードが標準なのか確認してくださいね。

カップボードのサイズは、幅1800mm(900+900)または、幅1650mm(900+750)は確保してください。それに加え、必要に応じてお好みのデザインでパントリーを設けると、使い勝手が良くなります。パントリーの幅は最低でも910mmは確保しておくと使いやすくなります。

また、パントリーを必ずしも設置する必要はありません。場合によっては、パントリーを設けずにカップボードの幅を2700mmや2550mmにして収納量を確保することも一つの選択肢です。

カップボードの奥行きは、各メーカーから300mmから650mmの範囲でラインナップされていますが、基本的には450mmをおすすめします。
「オーブンレンジが450mmでは設置できない」「冷蔵庫と面を揃えたい」といった場合には650mmを選んでも良いと思いますが、カップボードの奥行きは450mmで十分と思います。

■ゴミ箱スペース


キッチンを考えるときに見落としがちなのが「ゴミ箱を置く場所(ゴミ箱スペース)」の確保です。家事動線に配慮しつつ、インテリアの邪魔にならない場所に設置するのが良いと思います。例えば、カップボードの引き出しをあえてなくして、そのスペースにゴミ箱を置く方法がオススメです。

カップボードにはゴミ箱ユニットを設定することもできますが、容量が小さいためゴミがあまり入らないことが多いです。
キッチンのシンク下にゴミ箱を置く方もいますが、シンク下はゴミ箱の高さが取りづらいので注意が必要です。シンクで出たゴミをこまめに捨てられるメリットと、ゴミのニオイを受けながら料理をしなければならないデメリットがあります。
また、パントリー内にゴミ箱を置く場合は、動線が遠くなければ良いと思います。

ゴミ箱の設置場所にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、これらをしっかり比較しながら最適なゴミ箱スペースを決めてください。

■米びつ


お米を収納するための「米びつ」の置き場所に悩む方も多いですよね。
では、使いやすく邪魔にならない場所はどこでしょうか。
お米は湿気や高温を避けた場所で、乾燥した状態で保管することがベストです。
湿気が多いとお米がしけるだけでなく、カビが発生する原因にもなります。また、高温にも弱いため、20℃までの室温を目安に保管しましょう。20℃を超えると、虫が湧きやすくなります。そのため、熱源が近くにない場所、また直射日光を避けられる場所がおすすめです。ちなみに、ビニール袋のままだと湿気や虫が入りやすいのでNGです

実際に太陽ハウジングのオーナーさまは、米びつをどこに置いているのか気になったので聞いてみました。

第三位 冷蔵庫
冷蔵庫内は低温なので湿気やカビ対策が期待できますね。

第二位 パントリー
食材の保管場所として使われるパントリーの中も、お米の保管に適していますね。

第一位 キッチンの引き出し
深さ、奥行きともに十分な余裕がある引き出しが多く、大きい容器を入れるのにピッタリですね。

その他のご意見として・・・
・カップボードのカウンターにガラス瓶に入れて置いています。
・カップボードの炊飯器を置くスライド棚に炊飯器と一緒に並べています。
・カップボードと冷蔵庫の間に保冷米びつを置いています(本当はパントリー内に入れたかったですが、電源がなかったので床置きとの事でした)。

米びつの場所って住んでから置き場所を決めた方も多かったので、プラン打合せの際にどこに設置するか決めておいたほうが良いかもしれません。
また電源が必要な「保冷米びつ」の使用を考えている場合は、パントリー内のコンセントも忘れないようにしてくださいね。

■調理家電の配置と数


カップボードに配置する調理家電の数や配置によって、必要なスペースやコンセントの数、位置が決まります。例えば、カップボードのカウンターが160cmだから、オーブンレンジ、トースター、炊飯器を並べて置けるから大丈夫と考えるのではなく、各家電の配置を事前に決めておくことで、無駄のない設計が可能になります。家電を配置した残りスペースやコンセントの位置や高さなどを決めていきましょう

住み始めてから調理家電が増えてしまうこともありますよね。カップボードが家電でぎっしり埋まってしまい、スペースが足りなくなる状況を想像される方も多いのではないでしょうか。
設計の時点でコンセントの位置を等間隔で配置したり、カップボードの高さを住宅会社の標準の棚さにすることで家電のコードが見えてしまったり、家電の隙間からコンセントが見えたりします。(キッチンとカップボードはグレージュにして調理家電をブラックで統一したのに、白いコンセントが見えてしまい悪目立ちするなんてこともあるかもしれません)

こうした失敗を避けるためにも、各家電の配置を事前に決めておいてコンセントの位置や高さもお任せではなく、欲しい位置にピンポイントで指定することが大切です。
コンセントは、通常の2口タイプではなく、横並びの「Sプレート」などを使い、低い位置に設置することで、家電で隠れやすく使い勝手も良くなります。

また、調理家電は消費電力が大きいのでコンセントは普通の2口や4口のコンセントではなく専用回路にすることを覚えておいてください。

■カップボードにまつわるズボラさんQ&A


Q.カップボード上のキャビネットって必要?
A.物が少ない方、デザイン優先の方は付けなくても良いですが、物が多くなりがちなズボラさんには、付けておくことをおすすめします。

カップボードの上のキャビネットは多少の圧迫感もありますので、デザイン的にはないほうがすっきりします。また「背が低くキャビネットが使いづらいからいらない」という方もいらっしゃいますが、実はこのキャビネットはキッチンの納戸として活用できる便利な収納スペースです。

使用頻度が低いけれど、しまっておきたいものを収納する場所として非常に役立ちます。例えば、夏場に使うかき氷機、手巻き寿司の桶、予備のコップやお皿、ホットサンドメーカーやワッフルメーカーなど、日常的に使わないものを収納するのに最適です。

そういったものは持っていない物が少ない方や、デザインを優先したいの方には不要かもしれませんが、物が多く片付けが苦手なズボラさんはカップボード上のキャビネットをつけておくのが良いと思います。

ちなみに、キッチンの上のキャビネットは、キッチンの孤立感を防ぐために開放感を優先していただいたほうが良いと思います。ただ、物が多い方はキャビネットを付けても良いと思います。

Q.後から自分でカップボードを通販やお店で購入して設置するのはどうですか?
A.ダメではないですが、アフターサービスや壁面との隙間、地震対策としての固定の仕方などデメリットを理解した上で、それを上回るメリットあるならやっていただいても良いと思います。

キッチンメーカーの既製品や造作のカップボードに比べて、通販やお店で購入する方がコストを抑えられるため、好みのデザインや雰囲気のものがあれば採用するのも一つの選択肢です。ただし、後から自分で設置する場合、壁面との間に隙間ができて掃除がしづらくなることや、設置後にガタつきが出る可能性があります。

また、何か不具合があっても製品保証しかありません。また、地震対策の固定方法も「突っ張り棒」もしくは「金物固定」が必要となり、安全面での不安は残ります。何かあっても自分自身で対応するしかありませんので、本当に得策なのか慎重に検討していただいたほうが良いと思います。

■パントリー


パントリーの設置場所は、カップボードの横もしくはキッチンの近くにあるのが理想です。多少離れてしまっても、パントリーがないよりはあった方が便利なので、ぜひ設置を検討してください。

「玄関から直接パントリーを通ってLDKに行きたい」という方もおりますが、あまりオススメしません。動線を増やしすぎると家の面積が大きくなりコストもかかります。
予算に余裕があり、少しでも家事動線を短縮して負担を減らしたい方でない限り、LDKからパントリーへの動線で十分だと思います。

パントリーの奥行きは最低でも300mmを確保してください。理想は450mmですが、450mm確保する場合は、カップボードの横に設置してしまうと通路が狭くなりますので注意してください。

棚の奥行きは300mm~450mmで良いと思います。
「奥行きが深い方がたくさん収納できて便利」と考える方もいますが、奥行きがありすぎると、奥に収納した食品や飲料が取り出しにくくなり、うっかり賞味期限切れになってしまうことも。食品の無駄を防ぐためにも、パントリーの奥行きは適度に浅い方が使いやすいです。

パントリーは収納力に目が行きがちですが、使いやすさを重視することが重要です。適度な奥行きや動線を考慮していただくと良いと思います。

また、パントリーは扉やロールスクリーンなどで目隠しできるようにしておくのがおすすめです。
扉はがないと出し入れがスムーズで圧迫感がなくなりますが、扉があるとホコリや虫の侵入を防げますし、ペットがいる家庭では扉が必須です。

パントリーの壁をアクセントクロスで遊ぶ方もいますが、想像していたよりダイニングやリビングからパントリーが良く見えてしまい、気になってしまうことも。クロスを選ぶ際は、パントリー単体だけでなく視野を広げて部屋全体の雰囲気を考えることが大切です。

今回は、ズボラさんがキッチンで失敗しないための収納についてお伝えさせていただきました。

次回はキッチンで失敗しないためのレイアウト編です。お楽しみに。