COLUMN
家づくりコラム
不動産取得税はいくら?計算方法・軽減措置を分かりやすく解説【2025年最新】
こんにちは、太陽ハウジングです。
土地や建物を取得するときには、さまざまな税金が発生します。
そのひとつが「不動産取得税」です。
普段はあまり耳にしない税金のため、初めてマイホームを検討される方にとっては「いつ、いくらかかるのか?」と不安になることもあるでしょう。

不動産取得税は、不動産を取得したときに一度だけ課税されます。ただし金額が大きくなることも多いため、仕組みを事前に知っておくことが大切です。さらに、この税金には軽減措置があり、条件を満たせば負担を減らせます。ただし、軽減措置は自動的に適用されるわけではなく、自分で申請する必要がある点に注意が必要です。
本来なら不動産会社や住宅会社が教えてくれるのが理想ですが、必ずしも案内してくれるとは限りません。
今回は、不動産取得税の仕組みや計算方法、納付の流れ、そして知っておきたい軽減措置について分かりやすく解説します。
通知書が届いて慌てることのないよう、あらかじめ正しい知識を身につけておきましょう。
※本記事は2025年時点の一般的な制度をもとにしており、詳細や運用は都道府県により異なる場合があります。最終的には所轄の税務担当窓口で最新情報をご確認ください。
■不動産取得税とは?
不動産取得税は、土地や建物を取得したときに一度だけ課税される地方税です。
購入・新築・贈与など、不動産を取得した人が、その不動産の所在地にある都道府県に納めます。
毎年課税される固定資産税とは異なり、「取得時に一度だけ」発生するのが特徴です。
■不動産取得税の納付の流れ
不動産取得税は、毎年の固定資産税のように定期的に課税されるものではなく、登記の情報をもとに都道府県から「納税通知書」が送付されます。
【納付の流れ】
1.登記完了後、数か月以内に「納税通知書」が届く
2.記載されている納付期限までに、金融機関やコンビニなどで支払う
3.軽減措置の要件を満たす場合は、別途「軽減申請」を行う
4.すでに支払っていた場合は、建物完成後に還付申請を行うことによって、納めすぎた不動産取得税が戻ってくる
このように、不動産取得税は「納税通知書を受け取る → 支払う → 軽減措置を申請する →(場合によっては還付申請)」という流れで進みます。
■土地の不動産取得税について
・土地の不動産取得税の計算方法
土地の不動産取得税は、契約金額ではなく固定資産税評価額をもとに算出されます。
計算式は次のとおりです。
土地の固定資産税評価額×1/2×3%=土地の不動産取得税額
例1:固定資産税評価額1200万円の場合
1200万円(土地の固定資産税評価額)×1/2=600万円
600万円×3%=18万円
この場合は、18万円の不動産取得税が課税されます。
※固定資産税評価額を半分にする「2分の1の特例」は、2027(令和9)年3月31日までの適用です。
※税率も本来は4%ですが、住宅取得の場合は2027年3月31日まで3%に軽減されています。
・土地の不動産取得税の軽減措置(建物が完成している場合)
住宅用に土地を取得し、建物が完成している場合は、次の軽減措置が適用されます。
軽減額の計算式は次のとおりです。
1㎡あたりの土地の固定資産税評価額×1/2×建物の床面積の2倍(上限200㎡)×3%
もしくは45000円のどちらか高いほう=軽減額
例2:土地の面積100㎡、土地の固定資産税評価額1200万円、建物の床面積100㎡の場合
1200万円(土地の固定資産税評価額)÷100㎡(土地面積)=12万円(1㎡あたりの評価額)
12万円×1/2=6万円
6万円×200㎡(建物の床面積の2倍)=1200万円
1200万円×3%=36万円
この例の場合は、36万円と45000円だと36万円のほうが高いから軽減額は36万円になります。
例1で算出した不動産取得税は18万円だったので、軽減額36万円を差し引くとマイナスとなり、不動産取得税は0円となります。
土地の固定資産税評価額が高かったり、面積が大きかったりすると支払いが発生するケースもありますが、実際には0円になるケースも多いのが特徴です。
ただし、軽減措置の適用には申請が必要です。申請しないと軽減されず、そのまま課税されるためご注意ください。知らずにそのまま納付してしまう方も少なくありませんので、必ず手続きするようにしましょう。
・土地の不動産取得税の「徴収猶予」
土地を先に購入し、建物がまだ完成していない場合は、徴収猶予制度を利用できます。
これは、「この土地に住宅を建てる予定があるので、それまで不動産取得税の支払いを待ってほしい」という趣旨の申請です。
ただし、建物完成後には必ず土地の不動産取得税の軽減措置の申請を行う必要があります。猶予を受けても、その後の申請を忘れると本来受けられる控除が適用されませんので注意しましょう。
【徴収猶予の申請に必要な書類】
「この土地に住宅を建てる予定がある」ということを証明できる書類を添付する必要があります。以下のいずれかを提出します。
・建築確認済証および建築確認申請書
・工事請負契約書および図面(配置図・平面図・立面図)
【注意点】
土地を購入してから建物の請負契約前に不動産取得税の納付通知書が届いた場合、必要書類がまだ揃っていないことがあります。
この場合は一旦納付し、建物完成後に軽減申請と合わせて還付請求を行う流れになるケースもあります。申請後に納付した不動産取得税が還付されるため、「納付通知が届いたからといって契約を急ぐ必要はない」点も覚えておきましょう。

■建物の不動産取得税について
・建物の不動産取得税の計算方法
建物にも土地と同様に不動産取得税がかかります。
計算は契約金額ではなく「固定資産税評価額」をもとに行います。
計算式は次のとおりです。
(建物の固定資産税評価額-控除額)×3%=建物の不動産取得税額
【控除額】
一般の新築住宅:1200万円
長期優良住宅・認定低炭素住宅:1300万円
例:固定資産税評価額が1000万円の新築住宅の場合
1000万円−1200万円 = マイナス ※課税対象額は0円
この場合、不動産取得税はかかりません。
つまり固定資産税評価額が1,200万円を超えていないならば、税金はかからないということになります。 加えて、「長期優良住宅」と認定された新築住宅は、控除額が100万円増加し、1300万円になります。
・新築住宅における軽減措置の適用要件
建物の不動産取得税の軽減を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
・土地を購入してから3年以内に建築すること
・個人の居住を目的とした住宅、もしくは、セカンドハウス用の住宅であること
(建物の軽減措置は「住宅用」であることが条件です。別荘や事務所用途では適用されません。)
・物置や車庫、共用部分を含め、延べ床面積が50㎡以上240㎡以下であること
(床面積が狭すぎたり、逆に広すぎたりすると適用外になるため注意が必要です。)
不動産取得税は「一度きりの税金」ですが、金額が大きいため事前の理解と手続きがとても重要です。マイホームの購入や建築をスムーズに進めるためにも、税金の仕組みをしっかり押さえておきましょう。
太陽ハウジングでは、安心して家づくりを進めていただけるよう、不動産取得税の徴収猶予や軽減措置の申請も含めてサポートしています。
「こんな場合はどうなるの?」といった細かいご相談もお気軽にお声がけください。

■不動産取得税に関するQ&A
不動産取得税について基本的な仕組みや軽減措置を解説してきましたが、実際に家づくりを進める方からは細かい疑問をいただくことも多いです。
最後に、不動産取得税についてよくある質問をQ&A形式でまとめました。
Q.不動産取得税って、いつ支払うもの?
A.支払いは「納税通知書」が届いたタイミングです。
住民税や自動車税のように毎年決まった時期があるわけではなく、各都道府県の税事務所から送付される「納税通知書」に記載された期限を守って支払います。通知書の送付時期や期日は自治体によって異なるため、届いたら必ず内容を確認しましょう。
Q.支払いが遅れてしまった場合はどうなる?
A.延滞税が加算され、最悪の場合は差し押さえの可能性もあります。
不動産取得税を期限内に納めなかった場合、追加課税として延滞税(延滞金)がかかります。延滞税は納期限の翌日から2カ月までが原則年7.3%、それ以降は原則年14.6%と高率です。
長期間滞納すると財産の差し押さえにつながる可能性もあるため、必ず期限内に納税しましょう。事情がある場合は早めに税事務所や自治体などへ相談することが大切です。
Q.不動産取得税の通知書が届かない場合は?
A.通知書が届かない場合でも課税対象外とは限りません。
登記の内容や自治体の事務処理の関係で通知が遅れることもあります。数か月経っても届かない場合は、不動産が所在する都道府県の税事務所へ確認しましょう。
Q.中古住宅を購入した場合でも不動産取得税はかかる?
A.はい、かかります。ただし軽減措置を受けられる場合があります。
中古住宅の場合でも不動産取得税は課税されますが、築年数や耐震性能など一定条件を満たすことで軽減措置を受けられるケースがあります。購入前に条件を確認しておくと安心です。
Q.不動産取得税の軽減措置は自動で適用されますか?
A.自治体によって対応が異なります。
多くの自治体では土地・建物ともに軽減措置は申請が必要です。
一部自治体では建物の軽減措置を自動で処理してくれるところもあり、その場合は軽減後の内容が記載された通知書が届きます。
ただし、愛知県西三河エリアでは土地も建物も申請が必要です。申請を忘れると本来受けられる軽減を逃してしまうため、必ず確認・手続きを行いましょう。
Q.2年前に支払った不動産取得税の還付を忘れていました。今からでも申請できますか?
A.還付申請には期限があり、原則として5年以内であれば申請できます。
不動産取得税の軽減措置を受け忘れて納めすぎてしまった場合でも、還付申請を行えば税金が戻ってきます。ただし、この還付請求には法定申告期限から5年以内という時効があります。
2年前であればまだ申請可能ですので、必要書類を揃えて都道府県の税事務所に相談してください。期限を過ぎてしまうと還付は受けられませんので、思い当たる方は早めの手続きをおすすめします。