COLUMN

家づくりコラム

50年ローンは本当に安心?月々の負担と将来リスクを考える

こんにちは、太陽ハウジングです。

「月々の返済が3万円下がりますよ」と言われたら、どう感じますか?

近年、住宅価格や土地価格の上昇を背景に、「50年ローン」という言葉を耳にする機会が増えてきました。

これまで住宅ローンといえば最長35年が一般的でしたが、最近では50年という超長期型のローンを選択肢に入れる方も増えています。

特に20〜30代の子育て世代を中心に、「月々の負担を抑えながら、理想の土地や建物を諦めたくない」といった理由から、関心が高まっています。

しかし、月々の返済額だけを見て判断してしまうと、住み始めてから後悔する可能性もあります。

今回は、50年ローンの仕組みやメリット・デメリット、向き不向きの違いを整理しながら、家づくりの視点で本当に大切にしたい考え方をわかりやすく解説します。

■そもそも「50年ローン」とは?

50年ローンとは、一般的な最長35年の住宅ローンよりも長く、50年に設定できる住宅ローンのことを指します。

代表的な商品としては、住宅金融支援機構の【フラット50】があります。

全期間固定金利型で、長期優良住宅など一定の性能基準を満たす住宅が対象となるケースが多いのが特徴です。

返済期間を長くすることで、

・月々の返済額を抑えやすい
・同じ月額負担でも借入可能額を増やしやすい

というメリットがあります。

ただし、

・申込年齢の制限
・完済時年齢の上限
・取扱金融機関が限られている

といった条件もあるため、誰でも利用できるわけではありません。

■50年ローンのメリット

① 月々の返済負担を抑えやすい

最大のメリットは、毎月の支払額を軽くしやすい点です。

例えば、5,000万円を金利0.76%で借りた場合の試算です。
(※実際の金利や金利タイプは商品により異なります)

35年ローン:約135,619円/月
50年ローン:約100,193円/月
月々約3万円以上の差が出ます。

子育て期は教育費や生活費が増えやすい時期。
そのタイミングで家計に余裕を持たせやすいのは大きな安心材料です。

② 借入可能額が増え、選択肢が広がる

月々の上限を一定に考えた場合、返済期間が長いほど借入可能額は増えやすくなります。

その結果、
・立地の良い土地を選びやすい
・間取りや性能にこだわりやすい
・検討の幅を広げやすくなる

といった可能性が広がります。

注文住宅は「これから何十年も暮らす住まい」。
立地や断熱性能、間取りの使い勝手は、将来の満足度を大きく左右します。

だからこそ、無理のない範囲でその質を上げられるという意味では、50年ローンは一つの選択肢になります。

③ 全期間固定なら、将来設計が立てやすい

50年ローンの多くは、全期間固定金利型です。

・完済まで金利が変わらない
・返済額が一定
・長期の家計シミュレーションがしやすい

という安心感があります。

老後資金や教育費と並行して計画を立てたい方には、長期の家計シミュレーションが立てやすくなります。

■50年ローンのデメリット

50年ローンには、しっかり理解しておくべきデメリットもあります。

①総返済額は増えやすい

先ほどの例で総返済額を比較すると、

35年:約56,960,208円
50年:約60,115,866円

約300万円以上の差が生まれます。

月々は軽くなりますが、支払う利息は増えやすい。
金利が上がると差額はさらに拡大します。以下は金利別の総返済額の比較です。

金利35年総額50年総額差額
0.76%約5,696万円約6,011万円+約315万円
1.5%約6,279万円約6,875万円+約596万円
2.0%約6,667万円約7,421万円+約754万円

これが50年ローンの本質です。月々は軽くなる。でも、その分だけ総返済額は積み上がっていく。この仕組みを理解したうえで判断することが大切です。

②老後まで返済が続く可能性

返済期間が長いということは、完済時年齢が70代後半〜80歳近くになることもあります。

年金生活に入ってからの返済は、収入減少や医療費・介護費用の影響を受けやすく、現役時代よりも家計への負担が大きくなりがちです。

厚生労働省の公表データによると、平均的な収入で40年間加入した夫婦世帯の公的年金額は、月額およそ23万円前後が目安とされています。

一方、総務省の家計調査などでは、高齢夫婦無職世帯の平均的な生活費は月25万円前後とされています。

つまり、年金だけで生活する場合、「毎月およそ2万円前後が不足する可能性がある」というのが一つの目安です。

ここに、もし住宅ローンが月10万円残っていたらどうなるでしょうか。

生活費との差額約2万円に加えて、ローン10万円が上乗せされると、毎月約12万円の不足になります。

もちろん、退職金や貯蓄、個人年金などがあれば話は変わります。
ただ、老後の資金計画を考えるうえで、完済が65歳か、80歳か、この違いは、家計への影響が大きく変わります。

65歳で完済していれば、年金との差額約2万円の調整だけで済みます。しかし、80歳まで月10万円の返済が残っていれば、老後資金の取り崩しペースは大きく変わります。

住宅ローンは「借りられるかどうか」ではなく、「老後も含めて払い続けられるかどうか」で考えることが大切です。

そのためには、老後の生活費も含めた資金計画が前提になります。

③将来の住み替えリスク

途中で売却や住み替えを考えた場合「売却価格<ローン残債」、つまり「売却価格より残債が多い」状態になる可能性もあります。

特に長期ローンは、返済初期に元本が減りにくい構造のため、残債が多く残りやすい点には注意が必要です。

■「50年ローン」が合う人・合わない人の違い

50年ローンは、仕組みとしてはシンプルですが、向き不向きはご家庭の状況によって大きく変わります。ここでは、もう少し具体的に整理してみましょう。

●50年ローンが合いやすい人

・20〜30代前半で、完済時年齢に余裕がある
・共働きで、将来的な収入増が見込める
・長く同じ地域に住む予定がある
・「今は抑えて、将来は繰上返済する」前提で考えられる

例えば、「子どもが小さい今は教育費に余裕を持たせたい」「将来、昇給したら繰上返済して期間を短くする予定」という考え方ができるご家庭には、
選択肢の一つになり得ます。

50年払い続ける前提ではなく、柔軟にコントロールする前提で使える人には相性が良いといえるでしょう。

●50年ローンを慎重に考えたい人

・完済時年齢が70代後半〜80歳近くになる
・転勤・住み替えの可能性がある
・収入が変動しやすい
・老後資金に余裕がない

特に注意したいのは、「月々が下がるから安心」と感じてしまうこと。

例えば、教育費ピークや親の介護、ご自身の体調変化など、こうしたリスクが重なると、長く残っているローンが心理的な重荷になることもあります。

■50年ローン判断フローチャート

50年ローンが向いているかどうかは、「月々が安いかどうか」ではなく、将来設計との相性で決まります。

以下の流れでチェックしてみましょう。

【STEP1】完済時の年齢は何歳になりますか?

完済時年齢判定
65歳まで→ STEP2へ
66〜74歳→ やや注意。STEP2・3を必ず確認
75歳以上→ 原則慎重検討。老後資金計画が明確でない限り要注意

【STEP2】将来、繰上返済する具体的な計画がありますか?

計画の有無判定
ある(時期・金額が具体的)→ STEP3へ
なんとなく考えている→ 計画を具体化してから再判断
ない→ 50年完走前提になるため慎重検討

※ポイント
「昇給したら」ではなく、「◯年後に年間◯万円返す」まで具体化できているかが重要です。

【STEP3】老後資金は住宅ローンとは別で確保できていますか?

老後資金の見通し判定
退職金+貯蓄+年金で余裕あり→ STEP4へ
まだ不透明→ ライフプラン表で可視化してから判断
不安が大きい→ 35年以内完済プランを優先検討

【STEP4】住み替えの可能性はありますか?

住み替えの可能性判定
転勤・移住の可能性あり→ 長期ローンは残債リスクあり。慎重に検討
同じ地域に長く住む予定→ 50年ローンとの相性は比較的良い

【結論】50年ローンが「武器」になる人の条件

以下の4つが揃うなら、50年ローンは戦略的に使える選択肢です。

チェック項目条件
✓ 年齢完済時65歳以下、または繰上返済で短縮予定
✓ 繰上返済計画時期・金額が具体的に決まっている
✓ 老後資金住宅ローンとは別で確保できている
✓ 定住予定同じ地域に長く住む予定がある

どれかが曖昧なら、一度立ち止まるのが賢い選択かもしれません。

50年ローンが良いか悪いかではありません。

・何歳で完済予定か
・いつ繰上返済するか
・老後資金は別で確保できるか
・万が一売却するとき残債はいくらか

大切なのは、ここまで見えているかどうかです。

住宅ローンは「借りる瞬間」よりも「どう終えるか」の方が大切です。

何歳で完済するのか。
途中で見直すのか。
老後資金とどう両立させるのか。

この出口設計が見えているかどうかで、50年ローンは安心にも不安にも変わります。

そしてその視点を持てるかどうかで、50年ローンは「武器」にも「負担」にもなります。

■50年ローンを強く勧めてきたときの注意

50年ローンは悪い商品ではありません。しかし、提案のされ方には注意が必要です。

特に気をつけたいのは、「月々がこれだけ下がりますよ」という説明だけで進んでいないかどうか。

【確認しておきたい4つの項目】

・35年ローンとの差額はいくらか?
・完済時、何歳になるか?
・繰上返済しなかった場合のシミュレーションは?
・老後資金とのバランスは?

この4つに明確に答えてくれるかどうかが、信頼できる提案かどうかの分かれ目です。

さらに大切なのは、その説明が「契約を決めるため」ではなく、「安心して暮らし続けるため」になっているかどうかです。

数字を並べるだけでなく、「もし自分の家族だったらどう考えるか」という視点で話してくれているか。
月々の支払額だけでなく、完済時の年齢や老後の暮らしまで一緒に想像しながら説明してくれるか。
営業担当者が他人事ではなく、ご家族の未来を自分事として考えてくれているかどうか。

そこが、長いお付き合いになる住宅会社選びの大きな分かれ目になるかもしれません。

■だからこそ「パートナー選び」が重要

住宅ローンは、単なる資金調達の話ではありません。
これからの人生をどう設計していくかというテーマです。

ローンの年数や金利だけでなく、「この人となら将来の不安も含めて相談できるか」という視点も大切にしていただきたいと思います。

家づくりは、建てたら終わりではありません。
完成後も長く続く関係だからこそ、信頼できるパートナーと進めることが安心につながります。

太陽ハウジングでは、50年ローンを「勧める」「勧めない」という単純な判断はしません。

大切にしているのは、

・ご家族のライフプラン
・教育費とのバランス
・老後資金の見通し
・住宅性能による将来の光熱費
・住み続ける前提の資産価値

これらをすべて並べた上で、安心して暮らし続けられるかを基準に考えます。

50年ローンが合うご家庭もあります。
慎重に検討すべきご家庭もあります。

大切なのは、借りられる金額ではなく、安心して返していける金額です。

50年ローンは、月々の返済額を抑えながら理想に近い家づくりを目指せるという大きな魅力があります。特に子育て期の家計にゆとりを持たせたい方にとっては、現実的な選択肢のひとつになるでしょう。

その一方で、返済期間が長くなる分、総返済額は増えやすく、老後まで支払いが続く可能性もあります。また、将来住み替えを検討する場合には、ローン残債が負担になるケースも考えられます。

つまり、50年ローンは「良い」「悪い」と単純に判断できるものではなく、ご家族の年齢や働き方、将来設計によって向き不向きが分かれる選択肢だということです。

大切なのは、目の前の月々の数字だけを見るのではなく、その家でどんな暮らしを送りたいのか、何歳までに返済を終えたいのか、老後資金とのバランスはどう考えるのかといった、暮らし全体を見渡しながら判断することです。

50年ローンが気になっている方も、「自分たちには合っているのだろうか」と迷われている方も、まずは一度、率直な疑問をお聞かせください。

家を建てることがゴールではなく、その家で安心して暮らし続けられることが本当のスタートです。

太陽ハウジングでは、35年・50年・繰上返済パターンを並べた比較シミュレーションを作成し、完済年齢や老後資金とのバランスを一緒に整理しています。

月々が下がるかどうかではなく、何歳で終えられるか。

そこまで見てから、50年ローンは判断すべきだと考えています。
未来を見据えた資金計画を、一緒に考えてみませんか。

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