COLUMN

家づくりコラム

上手に家を建てる人は、まず「家づくりの現在地」を確認する―情報に振り回されない家づくりの進め方―

SNSで流れてきた家づくり相談会やモデルハウス見学会。
気になって参加してみた。

営業の話はたくさん聞いたし、モデルハウスも素敵だった。

でも帰り道、ふと思う。
「なんか、違ったかも。」

土地の話を聞きに行ったはずなのに…
お金が不安でローンのことを聞きたかったのに…
建物の構造や性能の説明で終わってしまった。

そんな経験、ありませんか?

実際にご相談いただく方の半数以上が、「何が分からないのか分からない状態」で来られます。
実はこれ、めずらしいことではなく、家づくりではよくあることです。

ではなぜ、家づくりがスムーズに進む人と、迷い続けてしまう人がいるのでしょうか。
その違いは、情報量でもセンスでもありません。

自分たちの「現在地」が分かっているかどうか。
家づくりは、みんな同じ場所から始まるわけではありません。

今どこに立っているのかを把握しないまま動くと、自分たちが知りたいこととは違う話、つまり「違う世界線」の話を聞くことになります

だから、モヤモヤしてしまうのです。

そこで今回の家づくりコラムでは、家づくりがモヤモヤしないための「上手に家を建てる方法」についてお伝えします。

■あなたの「家づくりの現在地」はどこ?

家づくりは、みんな同じ場所から始まるわけではありません。

・吹き抜けリビングにしたい
・フラットキッチンがいい
・シューズインクロークは絶対ほしい
・回遊動線に憧れる

InstagramやYouTubeで理想の暮らしを集めている人。

・駅まで徒歩15分以内
・〇〇小学校区
・実家の近く
・このエリアからは離れたくない

土地から考えている人。

・住宅ローンがどれくらい借りられるのか不安
・自己資金はいくら残すべき?
・総予算はいくらまでが安全?

まずはお金を整理したい人。

・なんとなく見に来ただけ
・まだ具体的ではない
・何から始めればいいのか分からない

そんな段階の人もいます。

どれも間違いではありません。
ただ、立っている場所が違うだけです。

●3分でできる現在地チェック

次の質問で「YES」が多い項目が、あなたの現在地です。

【理想先行型】
□ Instagramで保存が100件以上ある
□ 間取りの話は楽しい
□ 予算の総額はまだ曖昧

【エリア先行型】
□ 学区は最優先
□ 実家との距離が重要
□ 建物より土地検索をしている

【資金不安型】
□ 借入可能額をまだ知らない
□ 毎月の返済額が怖い
□ 自己資金をどこまで使うか迷っている

あなたはどのタイプでしたか? 
それぞれの現在地に合わせた「次の一歩」を整理してみましょう。

【理想先行型】
⇒まずは「総予算の上限」を数字で決めましょう。

理想の暮らしを考える時間は、とても楽しいものです。ただ、その理想を現実にするためには「総額」を先に知ることが欠かせません。

実際にあったケースでは、間取り打ち合わせを3回行ったあとに、総予算オーバーに気づいた方もいます。

順番が逆になると、時間も気持ちも消耗してしまいます。

【エリア先行型】
⇒そのエリアで建てられる建物価格帯と優先順位を「絶対条件3つ」に絞りましょう。

エリアを絞りきれないまま建物の性能や間取りを検討しても、判断は進みません。
家づくりの目的は「土地を買うこと」ではなく、「その場所で暮らすこと」です。

まずはそのエリアの土地相場と、建てられる建物の価格帯を把握すること。
そのうえで、譲れない条件を3つに絞ると、選択肢は一気に整理されます。

資金不安型】
⇒借入可能額ではなく、「毎月払える額」から逆算しましょう。

住宅ローンが不安な段階で間取りの打ち合わせに進むのは、順番が逆です。
安心できる「月々の支払い額」を明確にすると、土地と建物にかけられる予算配分は自然と見えてきます。
数字が決まれば、不安は漠然としたものではなく、具体的な検討事項に変わります。

■現在地が違えば、聞くべき話も違う

問題はここからです。
自分が「どの現在地」にいるのかを知らないまま動くと、違う世界線の話を聞くことになります。

例えば
・まだ住宅ローンが不安な段階なのに、間取りの細かな打ち合わせに進んでしまう。
・エリアをまだ決めきれていないのに、建物の性能や断熱等級の説明を受ける。
・理想の暮らしを考えている段階なのに、土地の坪単価の話で頭がいっぱいになる。

話している内容は正しいのに、なぜか腑に落ちない。
それは、今自分がいる段階と、聞いている話の世界線がズレているからです。
現在地を知らないまま動くと、聞くべき順番も見えなくなってしまいます。

■モヤモヤの正体は「世界線のズレ」

家づくりが迷路のように感じるのは、情報が多いからではありません。
世界線がズレたまま、次のステージに進もうとするからです。

本来は、まず予算の全体像を整理する段階かもしれません。
それなのに、建物の仕様やグレードで悩み始めてしまう。

まだエリアを絞れていないのに、間取りの細かい要望を書き出している。
理想の暮らしを言語化できていないのに、会社の比較を始めてしまう。

行動自体が悪いわけではありません。ただ、順番が違うということです。

現在地を無視したまま進めば、それはやがて遠回りになりかねません。

判断材料がそろっていないのに比較を始める。
不安の正体が分からないまま、決断を迫られる。
何が分からないのか分からない状態で、不安だけが膨らんでいく。
情報は増えるのに、安心は増えない。

動いているのに、前に進んでいる実感がない。
だから、疲れてしまうのです。

では、どうすればいいのでしょうか。

家づくりをスムーズに進めている人は、特別な知識を持っているわけでも、情報をたくさん集めているわけでもありません。

まず最初にやっていることは、たった一つ。

「今、自分たちはどの段階にいるのか?」を整理すること。

理想を集める段階なのか。
エリアを絞る段階なのか。
予算を現実的に確認する段階なのか。

現在地が見えると、聞くべき話も、比べるべきことも、自然と絞られていきます。

情報に振り回されなくなるのは、情報を減らしたからではありません。
順番が整ったからです。

次の章では、上手に家を建てる人が実際にやっている「現在地の整理の仕方」についてお伝えします。

■比較を始めたとき、なぜ紹介サービスを選ぶのか

比較が始まると、人は安心を探します。

「誰かが整理してくれた答え」
「いくつかに絞られた選択肢」

紹介サービスは、その安心を提供してくれる仕組みです。

会社が多すぎて分からない。
現在地がはっきりしないまま比較を始めると、多くの方がたどり着くのが「住宅会社紹介サービス」です。

第三者が話を聞き、複数の工務店やハウスメーカーを紹介してくれる。
比較の入り口としては、とても合理的な仕組みで、実際に便利なサービスだと思います。

ただし、ここにも一つ前提があります。

■紹介サービスの構造

紹介サービスは、ボランティアではありません。
ビジネスとして成立させる必要があります。

一般的に、住宅会社は成果報酬として建物価格の3〜5%程度を紹介会社へ支払います。

建物3,000万円なら、約90万〜150万円程度です。

この費用は施主が直接支払うわけではありませんが、ビジネスとして成立している仕組みであることは理解しておく必要があります。

そのため紹介時にまず確認されるのは、「年収」「自己資金」「借入可能額」

つまり「予算ゾーン」です。

合理的なマッチングで、悪い仕組みではありません。

ただ、あなたの「理想の世界線」よりも「予算帯」が優先されやすい構造があるということ。つまり、まず予算に合う会社から提案されるということです。

そして、すべての住宅会社がその紹介サービスに登録しているわけではありません。

選択肢が広がるようで、実は登録会社の中での比較になることもあります。

■紹介サービスが合う人・合わない人

紹介サービスも、使い方によってはとても有効な選択肢です。

●紹介サービスが合う人

・ある程度、予算の目安が決まっている人
・比較の軸を自分で持てている人
・最終判断は自分で行う意識がある人

●紹介サービスが合わない人

・「どこが良いか決めてほしい」と思っている人
・紹介された会社=正解だと思ってしまう人
・判断を誰かに委ねたい人

紹介サービスが合わない人の項目に当てはまる方は、少し注意が必要かもしれません。

なぜなら、紹介サービスもビジネスだからです。

住宅会社から紹介料を受け取る仕組みで成り立っています。
そのため、構造上「登録会社の中から選ぶ」という前提があります。

これは悪いことではなく、合理的な仕組みです。

ただし、紹介会社は責任の主体ではないということを理解しておく必要があります。

つまり、契約の主体はあくまで施主と住宅会社で、最終的に契約を結ぶのはあなたであり、家づくりの責任もあなたにあります。

だからこそ、紹介サービスを使う場合も、「参考にする」という姿勢が大切です。
信用しすぎるのではなく、最終判断は自分で行う。

紹介サービスを利用する場合

・紹介された会社以外にも、自分たちで2〜3社は調べてみる
・なぜその会社が提案されたのかを確認する
・紹介を受ける前に、自分たちの優先順位を書き出しておく

この3つを意識するだけでも、選択の質は大きく変わります。

紹介サービスは答えではなく、選択肢の一つ。どう使うかで、結果は変わります。

■上手な人は「一緒に考えてくれる人」を選んでいる

家づくりがスムーズに進む人は、「会社」よりも「人」を見ています。

・正解を押し付けない
・不安を否定しない
・メリットだけを強調しない

家づくりは、商品選びではありません。

どの会社を選ぶか以上に、誰と進めるか。
それは、伴走者選びです。

自分たちの現在地を一緒に整理し、順番を整えながら進めてくれる人。
それが、家づくりをスムーズにする大きな違いになります。

家づくりが上手な人は、特別な才能があるわけではありません。
たくさんの情報を知っているわけでも、最初から明確な理想を持っているわけでもありません。

ただ、「今、自分たちはどこにいるのか。」
それを確認しながら、順番を間違えずに進めているだけです。

現在地が見えれば、必要な情報も、比べるべきことも、自然と絞られていきます。

焦らなくていい。
比べすぎなくていい。

上手に家を建てるとは、正解を探すことではなく、
自分たちの現在地から、丁寧に一歩ずつ進めること。

その積み重ねなのだと思います。

現在地を一緒に整理するところから、家づくりは始まります。

家づくり相談=プラン提案や土地紹介ではありません。

実際に太陽ハウジングでは、いきなり土地紹介や間取り提案から始めることはほとんどありません。

まずは、「なぜ家を建てたいのか」「今、どんなことが不安なのか」をお聞きするところから始めます。

あるご夫婦は「土地が決められない」とご相談に来られましたが、お話を整理すると、本当の不安は「毎月の支払い額」でした。

そこで最初に行ったのは、間取りではなく土地+建物+諸費用まで含めた総額でのシミュレーションです。
住宅ローン、登記費用、外構工事、地盤改良、火災保険など、見落としがちな費用も含めて整理することで、「払えるかどうか」ではなく、「安心して進められるかどうか」が見えてきます。

総額が明確になると、土地の選び方も、建物の優先順位も自然と整い、「この価格帯なら安心できる」という基準ができ、土地探しのスピードは一気に上がりました。

家づくりで迷ってしまうのは、能力が足りないからではありません。 
順番が整っていない、現在地が見えていないだけです。

現在地を整理すると、次にやるべきことは自然と見えてきます。

私たちの役割は、その順番を一緒に整えることです。
もし今、「何から始めればいいのか分からない」と感じているなら、

まずは「今、どこにいるか」を整理する時間から始めませんか?

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