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家づくりコラム

ハザードマップにかかる土地は買っても大丈夫?水害リスクのある土地のメリット・デメリット

こんにちは、太陽ハウジングです。

梅雨時期の大雨や、夏から秋にかけて増える台風。最近は、短時間で一気に雨が降ることも多くなり、「昔より雨の降り方が強くなった気がする」と感じている方も多いのではないでしょうか。

大雨のニュースを見ると、家のまわりの道路が冠水していたり、川の水位が上がっていたりする様子を目にすることがあります。

そんなとき、これから土地を探す方にとって気になるのが、「この場所は水害に強いのか」ということです。

土地探しをしていると、希望エリアで条件の良い土地に出会うことがあります。

場所もいい。広さもいい。価格も予算内。
「お、これはいいかも」と思って調べてみたら、ハザードマップに色がついていた。
この瞬間、ちょっと迷いますよね。

「この土地、買っても大丈夫?」
「水害リスクがあるから安いの?」
「将来、後悔しないかな?」

そんなふうに迷うのは、とても自然なことだと思います。

ただ、ハザードマップに色がついている土地だからといって、必ずしも「買ってはいけない土地」というわけではありません。

まずは、その土地にどんなリスクがあるのかを知り、どこまで備えられるのかを確認してみましょう。

水害リスクのある土地と聞くと、どうしても不安な面が先に浮かびます。実際に、浸水被害の可能性や将来売却するときの不安、火災保険や対策費用など、慎重に確認したい点はあります。

一方で、条件によっては、価格が抑えられていたり、希望エリアで土地が見つかりやすかったりする場合もあります。

だからこそ、メリットだけを見るのではなく、デメリットだけで判断するのでもなく、家族がその場所で安心して暮らせるかどうかを考える視点が必要です。

今回のコラムでは、ハザードマップにかかる土地を検討するときに知っておきたい、水害リスクのある土地のメリット・デメリット、購入前に確認したいポイントについてお伝えします。

■ハザードマップにかかる土地とは?

ハザードマップとは、洪水・内水氾濫・土砂災害・高潮・津波・地震など、地域ごとに想定される災害リスクを地図上で確認できるものです。

土地探しで特に確認したいのが、洪水や内水氾濫などの水害リスクです。

ハザードマップで色がついているエリアは、一定の条件で大雨や河川の氾濫などが発生した場合に、浸水する可能性がある区域として示されています。

ただし、ここで注意したいのは、ハザードマップに色がついているからといって、すぐに「危険な土地」と決めつけるのは早いということです。

同じ色で表示されていても、実際には土地の高さ、道路との高低差、周辺の排水状況、川や水路との位置関係によって、リスクの感じ方は大きく変わります。

反対に、ハザードマップで色が薄い、または色がついていない場所でも、絶対に水害が起きないとは言い切れません。

大切なのは、ハザードマップを「買う・買わないを一瞬で決める地図」として見るのではなく、「その土地で暮らすために、どんな備えが必要かを考える資料」として活用することです。

※ハザードマップの基本的な見方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

「色がついている=危ないとは限らない!?ハザードマップの正しい見方と賢い土地選びとは?」

■ハザードマップにかかる土地は買っても大丈夫?

ハザードマップにかかる土地を購入してもよいかどうかは、土地ごとの条件によって異なります。

「色がついているから絶対にダメ」
「今まで被害がなかったから大丈夫」

どちらか一方で判断するのではなく、複数の視点から冷静に確認することが大切です。

確認したいのは、主に次のようなポイントです。

・想定される浸水深はどのくらいか
・過去に実際の浸水被害があったエリアか
・土地が周辺より低い場所にないか
・前面道路との高低差はどうか
・排水路や側溝の状況はどうか
・避難場所まで安全に移動できるか
・建物計画でリスクを軽減できるか
・火災保険の水災補償が必要か
・将来的に売却しやすい土地か

たとえば、同じ浸水想定区域内でも、道路より敷地が高い土地と、周辺より低く水が集まりやすい土地では、実際のリスクは異なります。

また、想定浸水深が浅いエリアなのか、1階部分まで浸水する可能性があるエリアなのかによっても、建物計画や避難方法は変わります。

つまり、ハザードマップにかかる土地を検討するときは、「色がついているかどうか」だけで判断するのではなく、「どの程度のリスクがあり、どう備えられるか」を確認する必要があります。

■水害リスクのある土地のメリット

水害リスクのある土地というと、どうしてもマイナスの印象が先に来ます。
もちろん慎重に見るべき土地ではありますが、条件によっては検討の余地があるケースもあります。

ここでは、あえてメリットの部分から見ていきましょう。

1. 周辺相場より価格が抑えられている場合がある

水害リスクのある土地は、周辺の土地と比べて価格が抑えられている場合があります。

同じエリア、同じ学区、同じような広さの土地でも、ハザードマップにかかっていることで、相場より安く販売されているケースがあります。

土地探しでは、駅までの距離、学区、日当たり、道路付け、土地の広さなど、希望条件が増えるほど価格も高くなりやすいものです。

そのため、希望エリアで土地を探している方にとっては、水害リスクを正しく理解したうえで検討することで、予算内に収まる可能性が出てくる場合があります。

ただし、「安いからお得」とすぐに判断するのは危険です。
価格が抑えられている理由を確認し、そのリスクを受け入れられるか、対策できるかを考えることが大切です。

2. 希望エリアで土地が見つかる可能性がある

土地探しでは、「子どもの学区を変えたくない」「実家の近くで暮らしたい」「通勤しやすい場所に住みたい」など、エリアを優先したい方も多いと思います。

しかし、人気エリアでは土地の数が少なく、価格も高くなりがちです。
条件の良い土地はすぐに売れてしまい、なかなか希望に合う土地が見つからないこともあります。

そのような中で、ハザードマップにかかる土地も含めて検討すると、候補が広がる場合があります。

もちろん、水害リスクを軽く考えてよいという意味ではありません。
ただ、「ハザードマップに色がついているから」という理由だけで最初から候補をすべて外してしまうと、実際には対策を考えられる土地まで見逃してしまう可能性があります。

特に、土地の高さや周辺環境を確認したうえで、建物計画や保険、避難計画まで含めて安心できると判断できる場合は、希望エリアで家づくりを叶える選択肢になることもあります。

3. 土地条件によってはコストバランスが良い場合がある

ハザードマップで同じ色がついている土地でも、現地を確認すると条件が異なることがあります。

たとえば、地図上では同じエリアに見えても、実際には道路がゆるやかな坂になっていたり、周囲より少し高い場所に敷地があったりすることがあります。

また、近くに川や水路があっても、堤防や排水設備が整備されている場合もあります。

このように、ハザードマップの情報と現地の状況をあわせて確認すると、リスクと価格のバランスが見えてくることがあります。

土地価格が抑えられていて、建物や外構、保険などの対策を含めても総予算に無理がない。

さらに、日当たりや広さ、周辺環境などの条件が家族の暮らしに合っている。

そのような場合は、総合的に見てコストバランスの良い選択になる可能性もあります。

4. 防災意識を持った家づくりにつながる

水害リスクを最初から把握していると、家づくりの計画段階から防災を意識しやすくなります。

たとえば、次のような対策を検討できます。

・基礎の高さを考える
・電気設備や給湯設備の位置を工夫する
・外構で水の流れを考える
・排水計画を確認する
・避難しやすい間取りを考える
・災害時の持ち出し品や備蓄スペースを計画する
・水災補償を含めた火災保険を検討する

土地を購入してからリスクに気づくよりも、最初からリスクを理解して家づくりを進めるほうが、できる備えは多くなります。

水害リスクのある土地を検討することは、単に「安い土地を選ぶ」ということではありません。

その土地で安心して暮らすために、家族で防災について考えるきっかけにもなります。

■水害リスクのある土地のデメリット

ここからが大事です。価格や立地の魅力だけを見てしまうと、あとから「そこまで考えていなかった」となることもあります。

水害リスクのある土地は、メリットだけでなく、デメリットもきちんと理解したうえで判断することが大切です。

1. 実際に浸水被害を受ける可能性がある

もっとも大きなデメリットは、実際に大雨や台風、河川の氾濫などが起きた際に、浸水被害を受ける可能性があることです。

床下浸水であっても、泥や水が入り込むことで、清掃や消毒、設備の点検が必要になる場合があります。

床上浸水になると、床材や壁、断熱材、家具、家電などに大きな被害が出る可能性があります。

また、浸水被害は建物だけの問題ではありません。
車が使えなくなったり、道路が冠水して移動できなくなったり、ライフラインが一時的に使えなくなったりすることも考えられます。

特に、小さなお子さまや高齢のご家族、ペットと暮らしている場合は、避難のタイミングや避難方法も重要になります。

「家が建つかどうか」だけではなく、「災害時に家族が安全に動けるか」まで考える必要があります。

2. 将来売却するときに不利になる可能性がある

ハザードマップにかかる土地は、将来売却するときに不利になる可能性があります。

購入時に自分たちが気にしたように、将来その土地や建物を買う人も、水害リスクを気にする可能性があります。

その結果、売却価格が下がったり、買い手が見つかるまでに時間がかかったりすることも考えられます。

もちろん、すべての土地で大きく資産価値が下がるわけではありません。

駅や学校、商業施設へのアクセスが良い土地、整備された住宅地、暮らしやすい環境がある土地などは、一定の需要が見込める場合もあります。

しかし、水害リスクが将来のリセールバリューに影響する可能性は、購入前に知っておきたいポイントです。

長く住む予定だから売却は考えていない、という方もいらっしゃるかもしれません。

それでも、将来の住み替え、相続、家族構成の変化など、人生には予想外のタイミングが訪れることがあります。

土地を選ぶときは、「今の暮らし」だけでなく、「将来どう扱えるか」という視点も持っておくと安心です。

3. 火災保険の水災補償が必要になる場合がある

水害リスクのある土地では、火災保険の内容にも注意が必要です。
火災保険という名前ですが、契約内容によっては台風や大雨による水災、風災、落雷なども補償対象になります。

ただし、水災補償は契約内容によって付帯の有無が異なるため、土地のリスクに合わせて確認する必要があります。

水災補償を付けることで、保険料が高くなる場合もあります。
そのため、土地価格が安く見えても、火災保険料や必要な対策費用を含めると、総額では思ったほど安くならない可能性もあります。

土地探しでは、土地代だけで判断しないことが大切です。
土地代、建物費用、外構費用、地盤改良費、諸費用、保険料、将来のメンテナンス費用。

これらを含めた総予算で考えることで、購入後の不安を減らすことができます。

4. 建物や外構に追加対策が必要になる場合がある

水害リスクのある土地では、建物や外構の計画にも配慮が必要です。

たとえば、敷地が道路より低い場合、大雨の際に道路から水が流れ込む可能性があります。

周囲より低い土地では、雨水が集まりやすい場合もあります。
そのため、土地によっては、次のような対策を検討することがあります。

・盛土や造成の必要性
・基礎の高さ
・玄関や掃き出し窓の高さ
・駐車場の勾配
・雨水桝や排水経路
・エアコン室外機や給湯器の設置高さ
・コンセントや電気設備の位置
・外構での水の流し方

これらの対策には費用がかかる場合があります。
また、土地の条件によっては、希望する間取りや外構計画に制約が出ることもあります。

水害リスクのある土地を検討するときは、購入前に「この土地にどんな家が建てられるか」「安全性を高めるためにどんな対策が必要か」を確認しておきましょう。

5. 心理的な不安が残る場合がある

水害リスクは、数字や地図だけでは判断しきれない面もあります。

たとえば、
台風や大雨のニュースを見るたびに不安になる。
大雨の日に道路の水たまりが気になってしまう。
旅行や外出中に、家のことが心配になる。

このような心理的な負担も、暮らしの安心感に関わります。

たとえ建物として対策ができていても、ご家族の中に強い不安が残る場合は、慎重に考えたほうがよいかもしれません。

家づくりで大切なのは、条件の良い土地を買うことだけではありません。
その土地で、家族が安心して暮らせるかどうかです。

「価格は魅力的だけど、どうしても不安が消えない」
「災害時のことを考えると、家族が納得できない」

そう感じる場合は、無理に購入を進めず、別の土地を探すことも大切な選択です。

水害リスクのある土地には、価格が抑えられている、希望エリアで土地が見つかりやすいなどのメリットがある一方で、浸水被害や将来の資産価値、火災保険、心理的な不安といったデメリットもあります。

大切なのは、ハザードマップに色がついているかどうかだけで判断するのではなく、その土地にどんなリスクがあり、どこまで備えられるのかを知ること。「安いから」「条件が良いから」と急いで決めてしまうと、住み始めてから「ここまで考えていなかった」と感じることもあります。

後編では、水害リスクのある土地で後悔しないために、購入前に確認しておきたい7つのポイントを詳しくお伝えします。